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“THE LEAN STARTUP”を読んでみた

最近日本語版も発売して流行っているらしい”THE LEAN STARTUP (リーンスタートアップ)”をGW中に読み終えたので、忘れないうちにまとめも兼ねて思ったことなど。多分本書自体の解説や詳しい説明はすでにたくさんあるような気がするので、単純に自分が思ったことのまとめ、に近いかもです。(日本語版発売前に英語版を読み始めてしまったので英語版を読んだ感想になります。どちら版でもあまり変わらないと思いますが。。。)

“THE LEAN STARTUP”ってなんだっけ

“Entrepreneurship is a kind of management.” (アントレプレナーシップはマネジメント!)と筆者が書いている通り、この本は主に、スタートアップ状態にあるチームや企業がどう的確に荒波をくぐり抜けて成功への活路を見出すか!ということについて筆者(元IMVUの開発エンジニア)やベンチャー企業の方々の成功談/失敗談を交えながら展開する、というお話です。ここでいう「スタートアップ」というのは、「ベンチャー企業」だけではなく、例えば大企業の中の新規事業立ち上げプロジェクトやNGOなども含まれます。ポイントは「新規事業によって普通ではちょっと達成困難なレベルの目標に向かって、ズドーーーンと成長していくシーン」にある人たちに向けて、という点だと思います。

どんな人が読むと良い本なのでしょう?

まず、このtumblrにブログを書いている私は日系情報通信企業のR&D部門にいるエンジニア(コンシューマ向けのウェブアプリケーション開発がメインかな!)で、職場の同僚から「この本がいいから読んでみて!」と薦められて本書を読みました。という私からの目線だと、まず筆者がかなり愚直な開発業務もやってきたエンジニアだったという点に共感できました。・・・ということはさておき、おそらく下記に当てはまる人にはかなり目から鱗というか読んで損はないなぁという内容なのではないかと思います。

  • 「とりあえず動くものを作ってみよう」「とりあえずやってみればいいじゃん」とアプリケーション開発をしてみて出来上がったものの、特に何が起こるわけでもなくヒットするわけでもなく、次に何をすればいいのやら・・・と悲しい思いをしたことのある、主に開発系エンジニアの人
  • 新サービス企画でたくさん資料を書きまくり壮大な計画のもと、長い時間をかけてやっとサービスをローンチできたものの、ローンチしてみたら悲しいほどユーザに見向きもされなかったという経験を持つ、主にサービス企画の人
  • そのほか新規事業や新サービスなどの企画や開発にかかわって「うーん、うまくいかなかったなぁ」という体験をした人
  • 新規事業や新サービスなどをマネジメントした/している/するかもしれないマネージャーの方、チームリーダーの方

要は、何も考えずに普通にやってうまくいくならこの本は読まなくてもいいわけですが、実際はいろいろと「うーん、うまくいかないなぁ」ということが多々あり、そういう成功とは言いがたい体験をしてきたことがある人にとっては、一読の価値あり、の内容だと思います。私もその1人なわけです(汗

“THE LEAN STARTUP”には何が書かれているのだろう!?

これはすでにより詳細な説明をされているブログがたくさんあるようなのでさっくりとまとめます。基本的には BUILD-MEASURE-LEARNのサイクルをいかに的確に素早くまわし、サービスをブラッシュアップしていくか、という話です。が、この粒度で書くと「PDCAサイクルを!」という話ほとんど変わらない気がしますので、ざっくりですがもうちょっと細かく書きます。

  • まず「アイデア・仮説」とその「アイデア・仮説」はどうやったら検証できるかを考えます。この本では「アイデア」をカタチにする流れは基本的には「スモールケースをいち早く」という立場のようです。このスモールケースのプロダクトをMVP (Minimum Viable Product)と読んでいます。
  • MVP (Minimum Viable Product)のポイントは、それ単体でサービスとして成り立つこと、かつ、「アイデア・仮説が正しいかどうか明確に(数値)検証可能であること」です。つまり何を検証するのだかあやふやなものはアウトだ、ということです。(なにをしたいかあやふやなまま「とりあえず動くものができちゃったよ」ということをしたことがある私にとっては若干どころかかなり耳が痛いです、汗)
  • MVPをリリースして、検証スタートです。ここでのポイントは「ちゃんと意味のある指標を使いましょう」ということです。本書の例にあるのは「アクティブ率」の変化とかです。(トータルPVなどはプロモーションに引きずられるのでサービスのよさの判定には不向き)この指標の取り方でいかに意味のある知見(“validated learning”)を取り出せるかが鍵です。
  • 得られた結果から、次の目標を設定するか、前の目標が達成できていなかったらどうすれば達成できるかを考えて、MVPに改良を加えたり、新しいMVPを作ったりして、またリリースします。もちろん、ここでも「何を検証するのか」をできるだけ定量的に決めておくことが重要だ、ということです。
  • このループを繰り返します。うまく行かないなぁという場合はピボット(“Pivot”)を考えます。ピボットとは、そのこの場の通りサービスの内容をある程度ガラリと変えてしまう、というのものです。

・・・というようなことが書いてあります。Part1の”VISION”では主にアントレプレナーシップやスタートアップについての心構えや捉え方、Part2の”STEER”では上記に書いたような一連の検証の流れ、Part3の”ACCELERATE”では、それをいろんなシチュエーションやフェーズの中でちゃんとやるか、という具体的事例についていろいろ挙げられています。

多分、Part1, 2の部分はサービス開発に携わっている人たちにとって非常に耳が痛い内容に思えますし、「いや〜わかっちゃいるんだけどさ〜現場はねえ!」と言いたい部分が多々あります(少なくとも、私は!)。ただし、特にMVPで検証をしていく流れなどは部分的にも日々の仕事の中に取り組んでいこう、と思える内容でした。他方、Part3はサービス開発をマネジメントする立場にある人たちにぜひ読んでもらいたい内容です。

個人的な感想まとめ

読みながら思った個人的な感想のまとめ。特にこれという結論はないのでつらつらと。

  • なんというかこういう「新手法」の本にありがちな(?)イケイケドンドンな雰囲気が全くなく、きわめて堅実っぽいアプローチや事例のロジックさが全般的に感じられて、かなり好感が持てた(笑
  • 本書ででてくる”MVP (Minimum Viable Product)”については「どの程度がMVPなのだろう!?」とやっぱり思ってしまう。プロトタイプというレベルではなく「機能を削ぎ落したプロダクト」というかなり完成度の高い(単機能の)サービスなのかなぁ、という印象。IMVUの例でもMVPを作るのに2、3ヶ月かかったりもしているので。検証に必要な機能だけを・・・といってもどれくらいのMVPが妥当なのか、というのはやっぱりケースバイケースなんだろうな、という印象。
  • 「MVPで検証をする(フィードバックをもらう)内容」イコール「サービスコンセプト、モデル」だよなぁ、という印象。もしくは、マネタイズモデル。この検証プロセスについてはほんとシビアだと思う。白黒はっきりさせるというか、うまくいったか、いかなかったか、はっきりさせることがそもそもの目的なので、「LEANな手法を使ってやりましたが、うまくいったかいかなかったかわかりませんでした!』みたいのはなしなんだろうなぁ・・・という印象。この点、本書はきわめてシビア(当たり前なのかもだけど)。
  • MVPでちゃんと目標が達成できているかどうかを調べるプロセスの解説は、ほんと「目から鱗」レベルでした。ここは素直に感激。かくあるべき、ただし実践はやっぱり難しい(が日々やっていこうと思いました・・・)
  • 多少気になったのが「本書ではほとんど、携わる各人のスキルや能力について触れられていない」という点。もちろんアントレのマネジメント手法なので触れられてなくて当然だし、私が読飛ばしてしまったのかもしれないけれども。とはいえ、具体的な実践については、やはり熟練したマネジメント手腕や各チームメンバーのスキルレベルの高さは本書の議論とは別に、ある程度必要だと思われる。
  • Part3あたりに出てくるTOYOTAモデルのfive whysの例がRuby on Railsでのアプリケーション開発事例であったため、railsをよく使っている私にとっては実にわかりやすかった!(笑

今回読んだ本

“The Lean Startup: How Today’s Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses”, Eric Ries

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